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日本でイタリアンブームが起きたのは1980年代のことです。
徐々に日本の食材や和食の技術を取り入れたイタリア料理が生まれ、少しずつイタリアにも影響を与えていきました。
カルパッチョを例に挙げますが、みなさんは魚介のカルパッチョをイメージしませんか。実は、本来イタリアでは仔牛の肉を使用したものであって、魚介のカルパッチョは日本で生まれたものなのです。お寿司などの日本食の広がりも影響しているのでしょう。そしてこの魚介のカルパッチョがイタリアでも食べられるようになっています。
実際にイタリアで生活してみてわかった日本独自のイタリアン常識や、メディアからの情報だけではわからないイタリア料理のことについて、今回は少し触れたいと思います。
・イタリアでは、フォカッチャは基本的に3cm位の厚さで提供されます。日本のように6cm以上あるフカフカのフォカッチャはイタリアでは見たことがありません。
・日本では自家製パンを毎日焼いている店が多いのですが、イタリアでは地域のパン屋やスーパーで購入したパンが提供されることがほとんどです。
・日本のミートソースは赤ワインとトマトソースで煮込んだものが主流ですが、イタリアでは白ワインと風味付け程度に少なめにトマトソースを使っていることが多いです。
・日本ではエスプレッソはブラック、またはダブルで注文されることが多いです。イタリアでは基本的に砂糖をたっぷり入れて飲まれ、糖分を控えている人はカロリーゼロの砂糖を入れます。ブラックやダブル(イタリアではdoppioドッピオと呼びます)で注文することはほとんどありません。
・日本ではレストランでピッツァが提供されますが、イタリアではピッツェリアが数多く存在するためレストランではピッツァは提供されません。一人一枚のピッツァを食べるのが基本で、日本のように数人で一枚をシェアすることはほとんどありません。
・レストランを含めイタリアの食事をする場所では新聞が数種類置いてある。地元の人が集まる店にはテレビがあったり、イタリアのラジオが流れている。(ただし高級レストランは除く)
・昼に飲むワインはカラフェかグラスが基本で、ボトルで飲むことはほとんどありません。水で割ったり氷を入れて飲まれ、夜はそのまま飲むことが多いです。
・高級レストランは例外ですが、レストランのホールスタッフは大体が私服にスニーカースタイルです。
・厨房スタッフは日本人もいます。ローマ、ミラノ、フィレンツェなどイタリアの都会のレストランでは特に日本人が多いのです。また、ロシアやアフリカ、東南アジアなどの移民も多いです。
・小麦粉のアレルギーの人が意外と多く存在します。
・余談ですが・・・レストランで使用される電子レンジは、パナソニック製のものが多いです!
まだまだたくさんあるのですが、長くなってしまうので続きはまたいずれ・・・。(笑
観光で行っただけではわからないディープなイタリアを知ることができるのは、イタリアでの生活の魅力でした。日本から出るとこんなにも違う世界があることに驚きました。知っているつもりだったことがほんの一部でしかないこと。何の役にも立たない情報ですが、イタリアンに対し少し興味を持っていただけたら幸いです。
新型コロナウイルスが5類に移行し、行動制限や自宅療養の制限が無くなりましたが、コロナウイルスの脅威が無くなった訳ではありません。身の回りで話題にされることが少なくなった今も、コロナウイルスは私たちの生活に影響を与えています。
自分自身で気を付けて対策をしていても、無自覚で感染している可能性がある。今回自分が感染して改めて思い知りました。
人により症状は違うのでしょうが、私の場合は39℃以上の高熱と頭痛が3日続き、平熱に戻ってからも頭痛と咳に悩まされました。
休業を決定してからは、ご予約いただいていたお客様や業者の方々への連絡、休業のお知らせ等に追われました。高熱があり、外は猛暑、やることは山積み。。。と大変でした。
感染が判明したのが休業日でそのまま自宅療養に入ったので、回復するまでお店には行けず、多くの食材やドリンクも廃棄することになりました。
予約のキャンセルについてはこちらからお願いすることは普段無いのでとても心苦しい連絡でしたが、皆さんに温かい言葉をかけていただき感謝の気持ちでいっぱいでした。
療養期間後には店内の消毒と仕込みや片付け、営業再開の段取りに追われました。
今回の一件でコロナウイルスによる影響は無くならないということや、お店を継続するにあたりもっと様々な視点で物事を考える必要性を感じました。
営業を再開しても、しばらくはお客様のご来店も少なくなるだろうと考えていたのですが、予約受付再開のお知らせ直後にご予約してくださったお客様もおり、感謝しております。
コロナウイルスに限ったことではなく、今後きっと様々な問題に直面していくと思いますが、あの時は大変だったと笑い話にできる日が来るといいなと思っています。
私の新型コロナウイルスの感染により7月25日㈫より休業しておりましたが、8月1日㈫より営業を再開いたします。
それに伴い、7月30日㈰の11時から、電話、Instagramにてディナーのご予約受付を再開いたします。
今回の休業にあたり、ご予約のお客様ならびにご利用を検討されていたお客様には大変ご迷惑をお掛け致しました。また、たくさんの温かい言葉をかけていただいたことに心より感謝しております。
営業再開後も引き続き感染対策を徹底し、お客様に安心・快適なお時間を過ごしていただけるよう努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
続いて、本来であれば7月26日㈬から予定をしておりました遠軽町 2023匠の夏採りアスパラ料理フェアについてですが、こちらも8月1日㈫の営業再開と同時に提供を開始いたします。
5度目の参加となる今回は、バジルや松の実を主原料として作るイタリアの定番ソースのジェノベーゼをイメージし、アスパラとピスタチオを中心に作ったオリジナルペーストを合わせたパスタです。
1週間遅れてのスタートとはなりますが、多くのお客様に楽しんでいただけたら幸いです。
オステリア デッラ ミゼリア
オーナーシェフ
久々の投稿になります。
今日は、イタリアの生ハムが長期に渡り輸入出来なくなっていることについて触れたいと思います。
始まりは2022年1月にイタリアでアフリカ豚熱に感染したイノシシが確認されたことでした。その後、養豚場でも感染した豚が見つかり農林水産省はイタリアからの豚肉、プロシュット、コッパ、パンチェッタ、サラミ等を含む豚肉加工品全般の輸入を停止しました。アフリカ豚熱は有効なワクチンや治療法が確立しておらず、豚は発熱や全身の出血性の病変を生じ収束の目途は立っていません。
では、いつからまたイタリア産生ハムを口にすることができるのか知りたいところですよね。感染が収束したとしても生ハムは熟成期間の短い物で9か月、当店で扱っているものは12~24か月熟成のもので、生産が再開されても恐らく2年間は手に入れる事ができないと考えています。また、輸入再開後も需要に対し供給が追い付かずに入手できなかったり価格が高騰する可能性が高いと考えています。
イタリア産生ハムは、PROSCIUTTO(プロシュット)と呼ばれます。
一般的に、生ハムと呼ばれているのはPROSCIUTTO CRUDO(プロシュット・クルード)と呼ばれる非加熱タイプで、同様の形状で加熱して作られるPROSCIUTTO COTTO(プロシュット・コット)と呼ばれるハムもあります。
日本ではローマ字読みで、プロシュートと呼ばれることもあり、初めて聞いた時はパラシュートが思い浮かんだのを覚えています。
特に有名なのは、イタリア中部のエミリア=ロマーニャ州のパルマ産のもので、PROSCIUTTO DI PARMA(プロシュット ディ パルマ)と呼ばれ世界的にもその名は知られています。当時、”生ハムはワインと違い屋内で造られるから作る場所が変わっても作り方や熟成方法の方が重要なのでは?”と考えていました。
私がイタリア滞在時に、パルマの生ハム工場の見学をしましたが、製造途中の生ハムが並ぶ光景は圧巻でした。パルマの気候と土地が他には無い味わいを作るというのは実際行ってみないとわからないと肌で感じました。
パルマ以外で作られる生ハムはノンパルマと呼ばれます。パルマ産と同じ製法でも他の地域の豚肉を使用していたり他の国を産地とするものではパルマ産とは呼べませんがパルマ産に似た美味しさを感じ方ができるものも多くあります。
ノンパルマだからこそ作り手の考え方が反映された個性のある製品も多数あります。
現に、イタリアで沢山の美味しいノンパルマ産生ハムに出会いました。
イタリア産の生ハムは入手ができなくなりましたが、お店では生ハム、サラミ各種を提供しています。使用しているものは主にスペイン産のものです。使用しているものは、世界三大ハムの一つであるハモンセラーノです(イタリアのパルマ産プロシュットも世界三大ハムの一つです)。
生ハム、サラミに関してはスペインやアメリカでも作られています。生ハムはイタリアの生産者がイタリア以外の工場で生産しているものもがあり、その他の加工品もスペインでイタリアのレシピを忠実に再現して生産しています。
見た目はイタリア産のオリジナルと比較すると小ぶりであったり、味の違いも感じますが、オリジナルをリスペクトして作られた高品質な製品が多いと感じています。
イタリア産生ハムは当面は口にすることはできませんが、マイナス面ばかりではないと考えています。普段イタリアンのお店では提供機会の少ないイタリア産以外の高品質な豚肉加工品を楽しむことができ、イタリア以外の取り組みや製造について私自身も学ぶことが多かったです。
お客様にも違いを楽しんでいただけたら幸いです。
オステリア デッラ ミゼリア
オーナーシェフ
鳥インフルエンザの影響で卵の入手が難しくなっています。
ケーキ屋さんなどでは段ボールで卵を購入しますが、イタリアンのお店ではケーキ屋さんほど卵を使用しません。そのため新鮮な卵を必要な数だけ購入し、使い切っています。
ですが鳥インフルエンザの影響で卵が売っていなかったり、購入制限があるため必要な数量の卵が入手できません。
ミゼリアでは、ドルチェ全般、手打ちパスタ、ディナーの料理、温玉などに卵を使用しています。
正直、卵が全然足りません!
オープンして4年が経ちますが、当店人気のティラミスが完売で欠品することはあっても、仕込みに使用できる卵がない為欠品したのは今日が初めてです。
欠品対策として今月に入ってから卵不使用のドルチェを増やして対応していますが、今後もドルチェの欠品は度々発生しそうです。
もうすぐGW。それまでに少しでも今の状況が改善してほしいと願うばかりです。
これまでコース料理を利用する機会があまりなかった人にとって、コース料理は複雑で難しそうと感じることもあるのではないでしょうか。
私はこういった職業柄、コース料理を利用する機会は多かったのですが、今でもコース料理の雰囲気には少し緊張感を覚えます。
ミゼリアディナープランとは、新型コロナウイルスの感染が少し落ち着いてきた2023年3月から新たに始めた大皿で提供するコース形式の料理プランのことです。
感染症拡大まで提供していた飲み放題付きパーティープランでは、料理の予算の都合上提供できる料理が限られ、本当に食べてもらいたい食材や料理が提供できずにいた、というのが正直なところです。
開店当初から今日に至るまでの経験やお客様の声から、食事の時間をより楽しんでもらうにはどのような形が理想かを考え、提供方法を見直した結果、このプラン開始に至りました。
まだ始まったばかりのプランですがこのようなシーンでご利用いただいています。
・友人同士の集まり
・職場の歓送迎会や打ち上げ
・カップルやご夫婦でのお食事
・お祝い(お誕生日、記念日など)
また、顔合わせの場、仕事での接待、女子会などや普段のお食事にもお気軽にご利用ください。
このプランの特徴について簡単にご説明します!
・少量ずつ色々な料理を楽しむ事ができる
・シーンや予算でプランが選べる
・内容がおまかせのため毎回違う料理が楽しめる
旬の食材や普段なかなか口にすることのない料理を味わっていただけることも魅力の一つです。おすすめの召し上がり方についてもできるだけ説明するように心がけております。
ご予約の際やこれまでのご利用でよくある質問を少しまとめましたのでご利用の参考にしていただければと思います。
Q.お誕生日のお祝いのケーキは別に用意できますか。
⇒ホールケーキでのご用意はしておりませんが、デザートの盛り合わせにロウソクを立てる事やお名前を書いてご用意することができます。(※事前のご予約が必要です。別料金がかかります。)
Q.貸切での利用はできますか。
⇒人数やプラン内容、その他のご予約の状況により対応しております。ご予約の際にご相談下さい。
(現在オーナーシェフ1人での営業につきプランの利用人数は最大8名様までとさせていただいております。それ以上の人数には現在対応しておりませんのでご了承ください)
Q.特別なシーンでの利用を考えています。Cプラン(おひとり様6,000円)以上の予算での利用は可能ですか。
⇒Cプラン以上でのご予算でのお料理のご用意も可能です。但し食材の手配に時間を要しますのでご利用日の1週間前までにご予約下さい。
お客様にとって食事の場としてのレストランを越え、大切な場所になっていただければそれに勝る喜びはありません。大切な人との素敵なひとときに是非ミゼリアディナープランをご利用いただければと思います。
常にお客様のご期待に応えられるよう、これからも新たな試みにチャレンジしていきたいと考えております。
プランの詳細はこちらからご覧いただけます。⇓⇓⇓
https://www.miseria-hokkaido.com/party
まずは店頭、電話又はインスタグラムのDM等でご相談下さい!
ご予約お待ちしております!
3月17日㈮ご利用分よりディナーでのお料理中心のおまかせプランを開始いたします。
詳細につきましてはこちらからご覧ください!⇓⇓⇓
飲食店で働くってどうなんだろう?
飲食店の求人広告を見たり、働いている人を見るとたまに思いませんか?
私も飲食店でまだ働いていないころ求人広告を見るたびにそう思っていました。
飲食店で働くとこのような変化があります。
・他のお店にご飯を食べに行ったときやたらと店員さんやバックヤードを見てしまう。
・日常会話で専門用語が出るようになる。(ふきんをダスターと言うようになる人が多いです)
・調理器具や料理知識が増える。
・人と話すのが苦手だったのが少しずつ慣れてくる。(私がそうでした)
・色々な職業の人の色々な話を聞ける。
飲食店で働いた事のある人は何となくわかるのではないしょうか。
しかし、こんなイメージもありますよね。
・きつそう。
・給料が安いし割に合わない。
・若い時にしかできない。
・飲食店経験者ならともかく初心者には大変そう。
年齢や経験による違いはないと私は考えています。
大事なことは、失敗を恐れず自ら進んで色々やってみようと思えるかどうかです。
受け身になっていると、失敗するのが怖くなったり人と自分を比べがちになってしまいます。そうなると自分には合わないのではないか、と思ってしまいますよね。
飲食業だから、というわけではなく色々な仕事に当てはまることではないでしょうか。
私も自分には合わないのではないかと、これまで何十回思ったか分かりません。
そんな時、とある女性の先輩が、「サービス業は楽しいよ!」、「飲食店は社会人として色々な基礎が学べる場所。」「レストランサービスはスポーツだ!」と言ってくださいました。
今となっては確かにそうだなと思います。
働くなら飲食店がおすすめです!とは強く言えませんし、大変な事も多い仕事ですが、特別な資格や経験もなくできます。
お客様に感謝をされる仕事はたくさんありますが、自分のおもてなしでお客様に喜んでいただける姿を目にしたときや、料理を通して会話のきっかけができ人と人のつながりを実感できたときには私自身大きな喜びを感じます。
これから飲食業に携わることを考えている人、これから進むべき道を迷っている人の道しるべになれば幸いです。
不定期にはなりますが、お店での実際の仕事なども今後紹介していけたらと考えています。